“ひっぱりだこ”の漢字の書き方と例文
語句割合
引張凧100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やい、それと声を懸けるばかりで、車夫も、馬丁べっとうも、引張凧ひっぱりだこになった艶福家えんぷくか島野氏も、女だから手も着けられない。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
受信機は引張凧ひっぱりだこで、高声器の前にはいつも黒山のような人だかりがあった。新聞はいつも羽根が生えて飛ぶように売れた。新聞社の収入は一躍平時の三倍にあがった。
地球発狂事件 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
当り作が出てからは、黙っていても、雑誌社から頼みに来る、書肆しょしから頼みに来る。私は引張凧ひっぱりだこだ……トサ感じたので、なに、二三軒からの申込が一一寸ちょっとかさなったのに過ぎなかった。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)