“はんにゃじ”の漢字の書き方と例文
語句割合
般若寺100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
昔、醍醐だいご帝の御代、御夢に弘法大師が現われ、檜皮色ひはだいろの御衣を着せるようにというお告げがあった。勅使中納言資澄すけすみ般若寺はんにゃじの僧観賢かんけんを連れて、高野山に上り、御廟ごびょうとびらを押し開いた。
「いや、そこへは寄らぬ。あくまで女子供の巣は世の外にそっとしておきたい。……さし当って後図こうとを立てるいとまもないが、大塔ノ宮の隠れおわす大和の般若寺はんにゃじへさして行こうと思う」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
足助あすけ次郎が、幕府方の荒尾兄弟を射て取り、般若寺はんにゃじの本性坊が、寄せ手の頭上に、大石の雨を降らせて、天皇旗の下に、二度の凱歌をわき上がらせたのも、この日につづいた合戦の中だった。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)