“なきつら”の漢字の書き方と例文
語句割合
泣面100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
とにかく三十も越えて男一人前にひげまで生えて居るような奴が、声をあげて止度とめどもなしにあんあんと泣く、その泣面なきつらと来たらば醜いとも可笑おかしいとも言いようがないのである。
病牀苦語 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
厳しく叱られて泣面なきつらになつたことの多い割合には、習ふことが身に沁みず、只ぶら/″\と月日を過し、閑さへあればたわいもない、くだらん本ばかり読み耽つてゐたものである。
「ほんとに済みません。泣面なきつらなどして。あの常さんて男、何といういやな人でしょう」
野菊の墓 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)