“とりこえ”の漢字の書き方と例文
語句割合
鳥越100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
浅草田圃あさくさたんぼに夕陽が照り、鳥越とりこえの土手のむこうにならんだ蒲鉾かまぼこ小屋のあたりで、わいわいいうひと声。
顎十郎捕物帳:10 野伏大名 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
これより先明治三年の九月、房州の鈴木松塘もまた向柳原二丁目に卜居しその詩社を七曲吟社ななまがりぎんしゃと名づけた。浅草鳥越とりこえの辺から向柳原の地を俚俗りぞく七曲りと呼んだのに因ったのである。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その翌年の秋、わたしは鳥越とりこえの中村座で、彼が「伊賀越」の助平と幸兵衛を観たが、遠眼鏡の助平は図ぬけてかった。幸兵衛はどうもよろしくなかった。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)