“とういす”の漢字の書き方と例文
語句割合
籐椅子100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
間遠まどおに荷車の音が、深夜の寂寞せきばくを破ったので、ハッとかくれて、籐椅子とういすに涼んだ私の蔭に立ちました。この音は妙に凄うございました。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なんという俳優か名前はわからなかったが角帯をしめた四十歳前後の相当の幹部らしいひとが二人、部屋のすみ籐椅子とういすに腰かけていた。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)
窓際の籐椅子とういすに腰かけて、正面にそびえる六百山ろっぴゃくざん霞沢山かすみざわやまとが曇天の夕空の光に照らされて映し出した色彩の盛観に見惚みとれていた。
雨の上高地 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)