“ちゅうでん”の漢字の書き方と例文
語句割合
中殿100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
女官は歯の根も合わず「……中殿ちゅうでんの東北にあたる“よる御殿おとど”でいらせられます」と答え、賊が走り去ったすきに、こけ転んで、天皇の御帳みとばりの内へ、かくかくと密奏した。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わけて千種忠顕は早々に出仕しゅっしして、上卿の面々とともに中殿ちゅうでん御座ぎょざへまかり出ていた。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼女の影は暗がりで見る玉虫の妖しい光さながらに、やがて、みかどのおられる中殿ちゅうでんのほうへサヤサヤを曳いて行く風だった。そしてまもなくこう御座ぎょざへおつたえしているのが声低く洩れていた。