“ちまなこ”の漢字の書き方と例文
語句割合
血眼100.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何しろ自分の身上に降り懸った災難でもあり、また私のためにも大難が起ったというような考えでありますから、夫婦は血眼ちまなこになってラサの町を捜し廻ったけれども見つからない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
町筋の倒れた家のあたりでは、一たん逃げたのが又戻って来て、男も女も家財を取出すのに血眼ちまなこになっていた。
九月一日 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
各新聞社は、隠れの捜索に血眼ちまなこだったが、絶縁状が『朝日新聞』だけへ出ると物議はやかましくなった。
柳原燁子(白蓮) (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
人足たちは、桟橋から轟音ごうおんと共に落ちて来る石炭の雪崩なだれの下で、その賃銀のためにではなく、その雪崩から自分を救うために一心に、血眼ちまなこになって働いた。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
「おおおお偉そうに云ってるぜ。へ、どうしたが呆れ返らあ。お前一時はあの女で血眼ちまなこになっていたじゃねえか」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
江川氏夫妻は、云うまでもなく、血眼ちまなこになって娘の行方を探していたが、どういう訳かいつまでも知れずにいた。
江川蘭子 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
天下の秀才を何かないか何かないかと血眼ちまなこにさせて遊ばせておくのは不経済の話で、一日遊ばせておけば一日の損である。
道楽と職業 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
踊屋台の一件、警固木挺けいごきちょうの番争いから、揃い衣裳の取極め、ああでもないこうでもないと、いい齢をした旦那衆までが血眼ちまなこになって騒ぎたてる。
かれは、血眼ちまなこになって、ただそれをひろおうとゆきなかみちのついていないところもかまわずにしたのでありました。
宝石商 (新字新仮名) / 小川未明(著)
日本人が血眼ちまなこになって騒いで来たヨーロッパの文化があれだったのかと思うと、それまで妙に卑屈になっていた自分が優しく哀れに曇って見えて来るのだった。
厨房日記 (新字新仮名) / 横光利一(著)