“たまひひめ”の漢字の書き方と例文
語句割合
玉日姫100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「お、琵琶の音がする。……加古川の法師は? ……」輦のうちで眼をふさぎながら、範宴は、玉日姫たまひひめのすがたを、おぼろ夜の白いはなを思いうかべていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
姻戚いんせき関係もおおっぴらで、もっとも縁の深いのが九条家で、つき関白兼実かんぱくかねざねの娘玉日姫たまひひめと宗祖の結婚がはじまりで、しかも宗祖は関白の弟、天台座主てんだいざす慈円の法弟であったのだから関係は古い。
九条武子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
慈円にはめいにあたる姫であって、兼実にとっては、この世にまたとなき一人息女ひとりむすめ玉日姫たまひひめである。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
兄の恩師でありまた自分の師でもある青蓮院の僧正も、玉日姫たまひひめの父である月輪の前関白さきのかんぱくも、夜の眠りすら欠くばかりに、心をいためていることを、よもや兄も知らぬわけではあるまいに。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)