“たびあか”の漢字の書き方と例文
語句割合
旅垢100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二十歳ばかりのその冠者は、旅垢たびあかにまみれた狩衣かりぎぬの下に、具足を着こんでいた。背は五尺一、二寸ぐらいしかあるまい。肩幅もきゃしゃであるし、総じて小がらな若者だった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すその短い、白木綿の着もの一枚に、くびや手足も旅垢たびあかにまみれ、泊るに銭もなく、飢えて川辺の舟に寝ていたらしいが、手下の者が揺り起すと怖ろしく気のつよい大言を放ったので
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
真っ黒な旅垢たびあかの下にかくれている、鶏血石けいけつせきのような鮮紅せんこうを持っている日吉の耳だの、若いくせに、一見、老人みたいに見えるひたいしわに、後年の大器がすでにあらわれていたことをも見出して
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)