“せんとうのごしょ”の漢字の書き方と例文
語句割合
仙洞御所100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
けれど、鳥羽法皇の院政や、後宮美福門院をめぐって、藤原貴族政治の末期にあがいた人々のえんじた人間宿業劇しゅくごうげきは、余りにも、生々しいものでした。内裏だいり仙洞御所せんとうのごしょは、その活舞台です。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼がしきりと焦心あせっているのも、実は無理でないのであって、仙洞御所せんとうのごしょの命はいよいよきびしく、中務省なかつかさしょう吏員りいんはやっきになって、二人のつぼね詮議せんぎに今は白熱しているかたちなのである。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ここだな」仙洞御所せんとうのごしょの前に立って、弁円は杖をとめた。御門垣から少し離れた所には、例の松虫、鈴虫の詮議せんぎに関する厳達が高く掲示されてあり、その板も、もう雨露うろに墨がながれていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)