“じっけんだな”の漢字の書き方と例文
語句割合
十軒店100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
めっきり夏近い日が車窓のガラスに光っている日曜の午前、十軒店じっけんだなの五月人形屋の店の前を、乗っている市内電車が今通るところ、木原店の木原亭へ昼席へゆく途中だった。
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
十軒店じっけんだなで近頃出来合の品物じゃあないんだそうで、由緒のあるのを、お夏さんのに金に飽かして買ったって申しますがね、内裏様が一対、官女が七人お囃子はやしが五人です、それについた、箪笥たんす、長持
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
売声うりごえで今一つ明治前に名高かったのは、十軒店じっけんだなの治郎公というのが、稲荷鮨いなりずしを夜売り歩いた。この治郎公は爺でしたが、声が馬鹿に好い、粋なのどでしたので大流行を極めた。
江戸か東京か (新字新仮名) / 淡島寒月(著)