“しんえつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
心越60.0%
宸悦20.0%
秦越20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それにしても、ずっと昔私はどこかで僧心越しんえつの描いた墨絵の芙蓉ふようの小軸を見た記憶がある。暁天の白露を帯びたこの花の本当の生きた姿が実に言葉通り紙面に躍動していたのである。
烏瓜の花と蛾 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
こうして、御所の造営と共に、朝廷の経済もあらたまった。応仁以来の妖雲も、天の一角から明るくなった。天皇の宸悦しんえつあらせられたことはいうまでもない。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
縦横に、前後に、上下しょうか四方に、乱れ飛ぶ世界と世界が喰い違うとき秦越しんえつの客ここに舟を同じゅうす。甲野こうのさんと宗近むねちか君は、三春行楽さんしゅんこうらくの興尽きて東に帰る。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)