“心越”の読み方と例文
読み方割合
しんえつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
空空は田安たやす家の近習番きんじゅばん後に御広敷御用人となった児玉喜太郎こだまきたろうである。心越しんえつ禅師の伝えた七絃琴の名手であったという。白藤は鈴木氏、名は成恭、通称は岩次郎。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それにしても、ずっと昔私はどこかで僧心越しんえつの描いた墨絵の芙蓉ふようの小軸を見た記憶がある。暁天の白露を帯びたこの花の本当の生きた姿が実に言葉通り紙面に躍動していたのである。
烏瓜の花と蛾 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
それが、どうしてこうも情けない、紙細工のようなものにしか描き現わされないであろう。それにしても、ずっと昔私はどこかで僧心越しんえつの描いた墨絵の芙蓉ふようの小軸を見た記憶がある。
からすうりの花と蛾 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)