“しょうごいん”の漢字の書き方と例文
語句割合
聖護院100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
洞川どろかわという谷底の村に、今では五鬼何という苗字みょうじの家が五軒あり、いわゆる山上参りの先達職せんだつしょくを世襲し聖護院しょうごいんの法親王御登山の案内役をもって、一代の眉目びもくとしておりました。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
聖護院しょうごいんの森ももう夏らしい若葉の黒い影に掩われていた。ほととぎすでもきそうなという心で、二人は空へ眼をやると、その眉の上に細かい雨のしずくが音もなしに落ちてきた。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
余は聖護院しょうごいんの化物屋敷という仇名あだなのある家に下宿していた。その頃は吉田町にさえ下宿らしい下宿は少なかった。まして学校を少し離れた聖護院には下宿らしいものはほとんどなかった。
子規居士と余 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)