“しおざい”の漢字の書き方と例文
語句割合
潮騒100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
墓地の草の葉を撫でていく湿った海風は誰のためだろう? 潮騒しおざいのような風の音、滲みだすようにひびいてくる爆音は誰のためだろう? それは墓の前に坐っているあたしのためだ。
だいこん (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
星は語らない。ただはるかな山すそから、干潮になった無月の潮騒しおざいが、海妖かいようの単調な誘惑の歌のように、なまめかしくなでるように聞こえて来るばかりだ。
生まれいずる悩み (新字新仮名) / 有島武郎(著)
ただときどき家を鳴らして渡る小夜嵐さよあらしが、遠くの潮騒しおざいのように余韻を引いて過ぎるばかり。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)