“こぬか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
小糠83.3%
粉糠16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
見ると、奉公人の私でさへ齋痒はがゆいと思ひます。丁子屋家付きの娘で、旦那は小糠こぬか三合の入聟ですもの、あんなに小さくなつて居なくたつて宜いやうなものですが——
その時の、魂の上に落ちた陰翳いんえいを私は何時までも拭ふことが出来ない。私は家のものに隠れて手拭につゝんだ小糠こぬかで顔をこすり出した。下女の美顔水を盗んで顔にすりこんだ。
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
小使は又、麦作の話をしてくれた。麦一ツカ——九十坪に、粉糠こぬか一斗の肥料を要するとか。それには大麦の殻と、刈草とを腐らして、粉糠を混ぜて、麦畠にくという。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
東京などでよく聴く「粉糠こぬか三合あれば養子に行くな」という諺を、ここでは「イスンカ三合あればむこになるな」というそうだから、イスンカの粉糠に近いものであることはわかる。
食料名彙 (新字新仮名) / 柳田国男(著)