“くろかべ”の漢字の書き方と例文
語句割合
黒壁100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
予はにし年の冬十二月、加賀国随一の幽寂ゆうじゃく界、黒壁くろかべという処にて、夜半一箇の婦人に出会いし時、実に名状すべからざる凄気すごさを感ぜしなり。
黒壁 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……土蔵の額縁がくぶち黒壁くろかべにもやはり同じことが書いてあったんだが、このほうは暗くて気がつかなかった。……おもんもなかなか抜け目がない。
顎十郎捕物帳:18 永代経 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
加賀の国黒壁くろかべは、金沢市の郊外一里程りていの処にあり、魔境をもっ国中こくちゅうに鳴る。けだ野田山のだやまの奥、深林幽暗の地たるに因れり。
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)