“くえびこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:クエビコ
語句割合
久延彦50.0%
久延毘古50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「あの神のことは久延彦くえびこならきっと存じておりますでしょう」と言いました。久延彦というのは山の田に立っているかかしでした。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
案山子かがしだと言われた久延彦くえびこすなわちアイヌの男子が、足は行かねどもことごとく天が下の事を知ると言われた事にも思い合されるのである。
久延彦くえびこは足がきかないので、ひと足も歩くことはできませんでしたけれど、それでいて、この下界のことはなんでもすっかり知っておりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
それで大国主神は急いでその久延彦くえびこにお聞きになりますと
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
また同じ語部のかたごとの中に、久延毘古くえびこが少彦名命の事を知っているとの事を、述べたという多邇具久たにぐくも、従来谷蟆すなわち蟾蜍と解せられているが
かれその少名毘古那の神を顯し白しし、いはゆる久延毘古くえびこは、今には山田の曾富騰そほどといふものなり。この神は、足はあるかねども、天の下の事をことごとに知れる神なり。
ここに多邇具久たにぐく白してまをさく、「こは久延毘古くえびこぞかならず知りたらむ」
それには、古事記に少彦名命の事を知っておるものが久延毘古くえびこであり、その事を大国主神に申し上げたものが多邇具久たにぐくであったという、その谷蟆とは傀儡子くぐつの事ではなかろうかというのであった。