“きのうきょう”の漢字の書き方と例文
語句割合
昨日今日100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この寒い所をやっとの思いで斬り抜けた昨日今日きのうきょう、寒い所から、寒いものが追っけて来る。今まではただ忘れればよかった。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「うむ。」とそっなく言ったが、清岡は君江の遣瀬なげな様子に気がつくと、その瞬間どうしたのか、昨日今日きのうきょうあらたに得た恋人と別れるような、何とも知れぬ残り惜しい心持になった。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
私自身にとっても、この女のために……まさしくこの女のためのみに齷齪あくせく思っている間に、五年という歳月は昨日今日きのうきょうと流れるごとく過ぎてしまって、彼女は今年もう二十七になるのである。
黒髪 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
気で勝てぬ病気のためなら孝行の尽しようがない。かりそめの風邪かぜと、当人も思い、自分もにしなかった昨日今日きのうきょうせきを、蔭へ廻って聞いて見ると、医者は性質たちが善くないと云う。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)