“きつねけん”の漢字の書き方と例文

語句	割合
狐拳	100.0%

狐拳

もう冬の寒い時だったので、狐拳（きつねけん）で負けるたびに、帯留め、帯揚げ、帯と一枚々々剥（は）がされ、次ぎには罰杯のコップ酒を強（し）いられ、正体もなくへとへとに酔って帰ったことがあったが

縮図 (新字新仮名) ／ 徳田秋声(著)

これによって三囲堤の下にあった葛西太郎（かさいたろう）という有名な料理屋は三下（さんさが）りの俗謡に、「夕立や田をみめぐりの神ならば、葛西太郎の洗鯉、ささがかうじて狐拳（きつねけん）。」と唱（うた）われていたほどであったのが

向嶋 (新字新仮名) ／ 永井荷風(著)

あれ、あの手（て）も真赤（まつか）な狐拳（きつねけん）！

東京景物詩及其他 (新字旧仮名) ／ 北原白秋(著)