“かけもうせん”の漢字の書き方と例文
語句割合
掛毛氈100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その頃私は芝居へ行く時は、必ず眼鏡オペラグラスを持って行ったので、勝美かつみ夫人もそのまる硝子ガラスの中に、燃え立つような掛毛氈かけもうせんを前にして、始めて姿を見せたのです。
開化の良人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
壁のくすんだ掛毛氈かけもうせん黒檀こくたんのように真っ黒な床、歩くにつれてがたがた音をたてる幻影のような紋章付きの戦利品などが、自分の幼少のころから見慣れていたもの
そして、七番目の部屋は、ここ丈けは安っぽい色布ではなく、天井から壁一面に黒天鵞絨びろうど掛毛氈かけもうせんで覆われ、それが更らに、重々しいひだを作って、同じ黒天鵞絨の絨毯の上に垂れ落ちていた。
黄金仮面 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)