“おはぐろどぶ”の漢字の書き方と例文
語句割合
鉄漿溝100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
秤量しやうりやうにかけるやうにして、高い租税を払はなければ飲めないばかりか、川水の姿を見ようとすれば、鉄橋の下の、鉄漿溝おはぐろどぶのやうに、どす黒く濁つた水を、夕暮の空に、両岸の燈火の幻影で
天竜川 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
道の片側は鉄漿溝おはぐろどぶに沿うて、廓者くるわものの住んでいる汚い長屋の立ちつづいた間から、江戸町一丁目と揚屋町あげやまちとの非常門を望み、また女郎屋の裏木戸ごとに引上げられた幾筋の刎橋はねばしが見えた。
里の今昔 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
鉄漿溝おはぐろどぶあわ立ッたまま凍ッて、大音寺前の温泉のけむは風に狂いながら流れている。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)