“うちがたな”の漢字の書き方と例文
カタカナ:ウチガタナ
語句割合
打刀100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
行子の眼にうつった大炊介という男性は、蔓巻の打刀うちがたなを指したさむらいの風体なのに、どこにも髯がないことであった。
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
べつに一尺八寸の打刀うちがたなをも同じ拵にて、髪は掴み乱して荒縄にてむづとしめ、黒革くろかは脚絆きやはんをし、同行常に二十人ばかり、熊手、まさかりなどを担がせて固め、人々ゆきあふ時は
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
入谷津の山端の木繁こしげみの間から谷底を見おろすと、そこここの段丘に蔓巻の打刀うちがたなを差し、鍬鋤を担いだ山武士態の男がむらむらに群れ、なにを運ぶのか、谷戸の斜面の古道こどうから鷹巣山の峯づたいに
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
打刀うちがたなを持つようになってからは、いよいよ思いあがった容態ようだいになり、生毛うぶげのはえた頬に懸髯をかけ、いちのたつ賑やかなところへ出かけては、わけもなく棚の八百物をとって投げ、道端の魚籠を蹴返し
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)