“いちょうがえし”の漢字の書き方と例文
語句割合
銀杏返100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
新吉はまた元のようにれ違う人の顔をじろじろ見だした。束髪そくはつの顔、円髷まるまげの顔、銀杏返いちょうがえしの顔、新吉の眼に映るものは女の顔ばかりであった。
女の首 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
その百合をいきなり洋卓テーブルの上に投げる様に置いて、その横にある椅子へ腰を卸した。そうして、結ったばかりの銀杏返いちょうがえしを、構わず、椅子の脊に押し付けて
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一人は銀杏返いちょうがえしに結った年増で、旅館の女中らしい服装をし、一人は背も少し低く年も少し若く、小さな束髪に結って、白粉っ気のない浅黒い素顔で、膝に二歳ばかりの子供を抱いていた。
人間繁栄 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)