“あんざいしょ”の漢字の書き方と例文
語句割合
行在所100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そういうこともあったなれど、われら恐れず搦め手へ廻り、木戸を焼きはらいなだれ込んだので、行在所あんざいしょは煙ぜめよ。……で城は落ちたというものじゃ」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
たとえば後醍醐天皇が一時行在所あんざいしょにおてになった穴生あのうほり氏のやかたなど、昔のままの建物の一部が現存するばかりでなく、子孫が今にその家に住んでいると云う。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
吉野朝廷はその本来の都と文化とから離れてかりの行在所あんざいしょを山岳の地に据えられたのであるから、どうしてもその政治行動の理想はその本来の都の奪回ということに向かなくてはならぬ。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)