貝鍋の歌かいなべのうた
北海に愚魚あり その名をほっけという 肉は白きこと雪片を欺き 味はうすきこと太虚に似たり 一片の三石の昆布 一滴のうすくちの醤油 真白なる豆腐に わずかなる緑を加う くつくつと貝鍋は煮え 夜は更けて味いよいよ新たなり まだ子供たちが幼かった …