饅頭まんぢう)” の例文
昨日きのふ美味うま最中もなかが出来たが今日けふの茶の時間には温かい饅頭まんぢうが作られた。晩餐には事務長から一同浴衣掛ゆかたがけよろしいと云ふ許しが出る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
してゆくはう餘程よつぽどよう御座いますアノ久兵衞さんが何時いつもと違つて藤助さんの所へゆくときには莞爾々々にこ/\して饅頭まんぢうだの羊羹やうかんだの又錢だのと種々いろ/\な物を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
やゝ平べつたい粘土ねんど細工の饅頭まんぢうを二つ合せたやうなもので、二つの中程にはやゝ大きい豆粒ほどの半圓の穴がそれ/″\に凹みをこしらへて居り、二つ合せると
裝飾さうしよくといつても夜目よめあざやかなやうに、饅頭まんぢうものつゝしろいへぎかはおびたゞしくくゝけてくのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
鍵をあづかつてる人は、前の街道を一二ちやう行つたところの、鍛冶屋かぢやの隣の饅頭屋まんぢうやであつた。場末の町によく見るやうないへつくりで、せいろのなかの田舎饅頭まんぢうからは湯気が立つてる。
父の墓 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
おい……ハヽヽ彼方あつちげてきやアがつた、馬鹿ばかやつだなア……先刻さつきむぐ/\つてゐた粟饅頭あはまんぢう……ムンこゝにけむ饅頭まんぢうがある、くひかけてのこしてきやアがつたな。
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
まつりときのお小遣こづかひ飴買錢あめかひぜにふ。あめてものにて、なべにてあたゝめたるを、麻殼あさがらぢくにくるりといてる。あめつてあさやろか、とふべろんの言葉ことばあり。饅頭まんぢうつてかはやろかなり。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
饅頭まんぢうへたら、お土産みやげ
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
あげ泣出なきいだすゆゑ越前守殿は言葉ことばしづかにコリヤ/\三吉最少もつと前へ出よ何も怕事こはいことはなしなくな/\サア/\好物いゝものを遣はさうと饅頭まんぢうを紙にのせて與へられ是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
へうふくろ饅頭まんぢう分配ぶんぱい
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
をけあなより入れさするに安五郎かたじけなしと何心なく饅頭まんぢうを二ツにわるに中にちひさくたゝみし紙ありければ不審ふしんに思ひひらき見るに
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)