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隔
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お
ふりがな文庫
“
隔
(
お
)” の例文
かぢ「おう/\大層黒血が流れる、私の
宅
(
うち
)
はツイ一軒
隔
(
お
)
いて隣だが、
直
(
すぐ
)
に癒る
宜
(
い
)
い
粉薬
(
こぐすり
)
が
他処
(
よそ
)
から貰って来てあるから宅へおいで」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お豆腐ばかり喰べさせます。それよりも尚おいけない事があります。即ち私は、一日
隔
(
お
)
きに罰則になります。それで何も悪い事はしないのです。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「上水樋仕様」を見ると、大伏樋は高さ六尺、幅四尺五寸の、一種の地下溝渠で、周囲は大谷石で畳まれ、二町
隔
(
お
)
きに四間四方の溜井戸が設けられてある。
魔都
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
それから十分
隔
(
お
)
き位に入つて来た。そして何時でも百疋前後入つて居た。他の船も絶え間なしに取つて居た。
厄年
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
その一つに私は
塒
(
ねぐら
)
を定めて時々家賃を二月
隔
(
お
)
きに払ったりしてこの老市長を面食らわせているのであったが、市長を務めたからなんてそう驚くには当りません。
ナリン殿下への回想
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
▼ もっと見る
しろがねの恩賜の時計、
畏
(
かしこ
)
むやその子秘めにき。秒
隔
(
お
)
かず死ぬまで
愛
(
め
)
でぬ。子が死にて
愛
(
かな
)
しき時計、形見よと、父は
後愛
(
あとめ
)
で、命よと、いとほしと、日も夜も持ちき。
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
居処
(
いどころ
)
を聞いてもそのうちに知れると云って云わないものですから、私は老人をますます
豪
(
えら
)
い異人だと思うようになったのです、それから老人は、二日
隔
(
お
)
き、三日隔きに
港の妖婦
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
彼らは引きかえすとまた進み、
退
(
しりぞ
)
いては再び
喊声
(
かんせい
)
を張り上げた。そうして、時刻を
隔
(
お
)
いてこの数度の
牽制
(
けんせい
)
を繰り返している
中
(
うち
)
に、最早対岸からは矢が飛ばなくなって来た。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
正確に一間
隔
(
お
)
き位いにつっ立って居る白樺の木立ちの物淋しい感じや、なんの変哲も無く一段と低くなった長方形の地面が、どういう場合に使った跡か一寸解し兼ねる処に
決闘場
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「いいえ。一軒
隔
(
お
)
いて隣りの備前屋という
生薬屋
(
きぐすりや
)
の娘さんでございます」と、勘蔵は答えた。
半七捕物帳:29 熊の死骸
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
二、三間
隔
(
お
)
きに箱の主がいて、
牀几
(
しょうぎ
)
に腰をかけたり、ぼんやり、セーヌ
河畔
(
かはん
)
の釣客を眺めたり、煙草の煙を輪に吐いたり、葡萄酒の
喇叭
(
ラッパ
)
飲みをしたり、
居睡
(
いねむり
)
をしたりしている。
愛書癖
(新字新仮名)
/
辰野隆
(著)
ベンチを二つ
隔
(
お
)
いて洋服屋の主人の側に掛けて居るのが年頃二十一二の青年、これまた筒袖で黒の兵児帯、小薩張りとして居るが下駄を見ると広い薄ぺらな筍の皮の様な物に
死線を越えて:01 死線を越えて
(新字旧仮名)
/
賀川豊彦
(著)
一方、いままではちゃんと間を
隔
(
お
)
いて鳴っていた近所の半鐘の方も、そのとき突然自分の立てつづけている音に怯え出しでもしたかのように、急に物狂おしく鳴り出していた。
幼年時代
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
すると、その男は観音様の
境内
(
けいだい
)
へ入って、今仲見世のある辺にあった、水茶屋へ入るじゃないか。私も何気ない風をして、その男の前に、三尺ばかり間を
隔
(
お
)
いて腰をかけたのです。
ある恋の話
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
とにかく、
路傍
(
みちばた
)
だし、
埃
(
ほこり
)
がしている。裏の
崖境
(
がけざかい
)
には、
清浄
(
きれい
)
なのが沢山あるから、御休息かたがた。で、ものの言いぶりと人のいい
顔色
(
かおつき
)
が、気を
隔
(
お
)
かせなければ、遠慮もさせなかった。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
が、
一日
(
いちんち
)
隔
(
お
)
いたそのあくる日は
河岸
(
かし
)
の連中のある日だった。河岸の問屋の人たちが、古馴染のかれのため、大挙して見物に来てくれる日だった。それを思うと安閑とは寝ていられなかった。
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
次の日、一日
隔
(
お
)
いてまた次の日、その次の日、どういう都合か同じことが起った。じき消える淡い感じが、度かさなるにつれ明瞭になり、伸子にとって一種悩ましい予感のようになって来た。
伸子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
娼妓
(
しょうぎ
)
もまた気の
隔
(
お
)
けない馴染みのほかは客を断り、思い思いに酒宴を開く。
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
その時ネネムは、ふともっと向うを見ますと、
大抵
(
たいてい
)
五間
隔
(
お
)
きぐらいに、あくびをしたりうでぐみをしたり、ぼんやり立っているものがまだまだたくさん続いています。そこでネネムが云いました。
ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
お土産を持つて來なかつた
失策
(
しくじり
)
は、お八重も矢張氣がついてゐた。二人の話は、源助さんも親切だが、お吉も亦、氣の
隔
(
お
)
けぬ親切な人だといふ事に一致した。
郷里
(
くに
)
の事は二人共何にも言はなかつた。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
文「なに、一軒
隔
(
お
)
いて隣は小野
氏
(
うじ
)
の家に相違ないが、小野に怪我があっては相成らんゆえ、
私
(
わし
)
が往って
取鎮
(
とりしず
)
めて遣ろう」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
海岸から五六町も沖に、村の端から端にかけて、一町
隔
(
お
)
き位に網が下ろしてある。瓢箪の形をして居るので瓢網と呼んで居る。又俗に「テンコ」とも言はれて居る。
厄年
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
それから明は殆ど二三日
隔
(
お
)
き位に、事務所の帰りなどに彼女達を見舞って行くようになった。いつも秋らしい夕方の光が彼女達の病室へ一ぱい差し込んでいるような日が多かった。
菜穂子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
間
(
ま
)
を
隔
(
お
)
いてぽつりぽつりと、それはバラック式の
果敢
(
はか
)
ないものであった。以前に、国境守護の駐屯兵が住むために急造したという
小舎
(
こや
)
のままであるらしかった。東洋風の簡素なものだ。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
私は、お名残だと思ったものですから、その興行は、二日
隔
(
お
)
き位に足
繁
(
しげ
)
く通いました。その時の狂言は、
義経千本桜
(
よしつねせんぼんざくら
)
で、染之助はすし屋の場で、弥助——実は
平維盛
(
たいらのこれもり
)
卿になっていました。
ある恋の話
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
その日の夕刻、
騒擾
(
そうじょう
)
の分水嶺となるべき工部局の特別納税会議が市政会館で開かれた。戒厳令を
施
(
し
)
かれた会館の附近では、銃劒をつけた警官隊と義勇隊とが数
間
(
けん
)
の間を
隔
(
お
)
いて廻っていた。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
お土産を持つて来なかつた
失策
(
てぬかり
)
は、お八重も矢張気がついてゐた。二人の話は、源助さんも親切だが、お吉も亦、気の
隔
(
お
)
けぬ親切な人だといふ事に一致した。郷里の事は二人共何にも言はなかつた。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
重助「オヽこの侍だ、親方
昨日
(
きのう
)
お宅から一軒
隔
(
お
)
いて隣の豆腐屋の前で、
私
(
わたくし
)
を下駄で踏んだ人はこの侍でございます」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私は五日か七日
隔
(
お
)
き位に父に背負はれて二里余り離れた或る村の医者へ通つて居たが、医者は関節炎だとか云つて、ヨヂュムチンキか何かを塗つて呉れたりして居た。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
私は毎日、二三時間
隔
(
お
)
きぐらいに、隣りの病室に行き、病人の枕もとにしばらく坐っている。しかし病人に
喋舌
(
しゃべ
)
らせることは一番好くないので、殆んどものを言わずにいることが多い。
風立ちぬ
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
二人は、入場者を一人
隔
(
お
)
きに引き受けているようであった。従って、大男の順番に当っている時に、入場者が小男の方に下駄を差し出すと、彼はそしらぬ顔をして、大男の方を顎で指し示した。
出世
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
聴くとして
書
(
ふみ
)
読ませゆく気づまりも妻には
思
(
も
)
はず心
隔
(
お
)
かずも
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
多「へい、
私
(
わし
)
は炭屋の奉公人でがんすが、あの一軒
隔
(
お
)
いてお隣の鎌田市作様の処から炭二俵持って来やした」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
十分間
隔
(
お
)
き位に二三度こんなことが続いて、それから暫く途切れた。
厄年
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
霜くだる
今宵
(
こよひ
)
のラヂオおぎろなし心とどろくひと時
隔
(
お
)
きに
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
何処かで半鐘が、間を
隔
(
お
)
いては、鳴っていた。
幼年時代
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
侍「そんなら二俵は此処に置いて、
後
(
あと
)
の二俵は一軒
隔
(
お
)
いてお隣のお
宅
(
うち
)
まで持って往ってくんな、未だお荷物も片付くまいが、手前方から左様申したと二俵持って往ってくれ」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
霜くだる
今宵
(
こよひ
)
のラヂオおぎろなし心とどろくひと時
隔
(
お
)
きに
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
敵は此の
一村
(
ひとむら
)
隔
(
お
)
いて隣村に居ります、
僅
(
わずか
)
に八里山を越すと、現に敵が居りながら、女の細腕で討つことが出来ません、先方は浪人者で、
私
(
わたくし
)
の父は
杣
(
そま
)
をいたして居りましたが
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
庭苔の強き
日射
(
ひざし
)
を時
隔
(
お
)
かず散らひ舞ひ來る細き葉や何
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
すると一軒
隔
(
お
)
いて隣に
川村
(
かわむら
)
三八
郎
(
ろう
)
と云う者が居ますが、妙な堅いような
耄
(
とぼ
)
けたような変な人でございまして、早く開化の道理を少し覚え、開化は
宜
(
よ
)
いもんだと考えを起して居りますが
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
庭苔の強き
日射
(
ひざし
)
を時
隔
(
お
)
かず散らひ舞ひ来る細き葉や何
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
多「へい、一軒
隔
(
お
)
いてお隣かね、ようがんすが、代を貰いていもんでがんす」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と
瞞
(
ごま
)
かして居りましたが、何んでも己がトロリと寝た
間
(
ま
)
に逢引をしたに違いねえ、と疑心が晴れませんから、又一日
隔
(
お
)
いて松五郎を呼び、酒を飲まして
例
(
いつも
)
の通り蚊帳を釣って三人の床を
展
(
の
)
べ
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
隔
常用漢字
中学
部首:⾩
13画
“隔”を含む語句
間隔
懸隔
隔意
遠隔
隔離
隔絶
分隔
隔日
隔心
隔子
相隔
隔膜
疎隔
隔世
隔靴掻痒
横隔膜
離隔
阻隔
隔在的
隔月
...