“河畔”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かはん64.7%
かわばた11.8%
かはべり5.9%
かわぎし5.9%
ほとり5.9%
エンバンクメント5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかしてわれ今再びこの河畔かはんに立ってその泉流のむせぶをき、その危厳のそびゆるを仰ぎ、その蒼天そうてんの地にれて静かなるをるなり。
小春 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
四辺が暗くなるまで河畔かわばたのブトに食われながら坐っていて、ついに鮎釣りの男に注意された時、自分の薄志弱行を頓に感じさせられた。
村の成功者 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
私は、河畔かはべりの葦の洲の上で、一方の腕をたくみに水の上にのばせてゐる茱萸の樹の枝から枝へ吊つたハムモツクで、うたゝ寝の夢に烏頂天となつてゐた。
ダニューヴの花嫁 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
旅にある日、ソーン、ヴィエンヌ、ガロンヌなぞの河畔かわぎしから遠く旅情を送った隅田川がもう一度彼の眼前めのまえひらけた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
千曲の河畔ほとりへ出たと思うと、何ぞ計らん、渡船小屋らしい物を中心に、一かたまりの人馬が、こっちを見て、俄に、弓に矢をつがえたり、ほこ、長柄の刀などを構えて、何か、喊声かんせいをあげ始めた。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
テムズの河畔エンバンクメントにはずらりと木かげに駄馬がやすみ、駄馬にはえが群れ飛び、蠅の羽に陽が光って、川づらの工作船が鈍いうなり声をあげるいいお天気だ。
踊る地平線:04 虹を渡る日 (新字新仮名) / 谷譲次(著)