立到たちいた)” の例文
けると、多勢おほぜい通學生つうがくせいをつかまへて、山田やまだその吹聽ふいちやうといつたらない。ぬえいけ行水ぎやうずゐ使つかつたほどに、こと大袈裟おほげさ立到たちいたる。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
何故なぜそうきふしたかとのきみ質問しつもん御尤ごもつともである。ぼく不幸ふかうにしてこれきみ白状はくじやうしてしまはなければならぬことに立到たちいたつた。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
こういう場合に立到たちいたると、君江はなお更はげしくいつもの癖が増長して、後になって我ながら浅間しいと身顫みぶるいする事も幾度だか知れない。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
これまでのいわゆる哲学や宗教や道徳や法律は皆この根本の人間の疾患に立到たちいたらない空理空文である。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
紀元節きげんせつ當日たうじつさかんなる光景くわうけい、つゞいて、電光艇でんくわうてい試運轉式しうんてんしき大異變だいゐへんから、今回こんくわい使命しめい立到たちいたつたまで奇譚きだんは、始終しじう彼等かれらをヤンヤとはせて、吾等われら孤島こたう生活中せいくわつちう
見たくなかったら! もしイギリスとフランスが今日のゼノアと同じ運命に立到たちいたりたくなかったら!
あのお子が悪者の手にかかってお果てなされなければならない破目はめ立到たちいたったのを、色々苦心の末に、この山奥にお捨て申して、律儀りちぎな百姓の手に御養育いたさせたのだ。
三人の百姓 (新字新仮名) / 秋田雨雀(著)
大佐たいさこうまさ朝日島あさひじま出發しゆつぱつせんとする瞬時わづかまへ震天動地しんてんどうち大海嘯おほつなみために、秘密造船所ひみつざうせんじよ倉庫さうこくだけて、十二のたる流失りうしつしたことから、つひ今回こんくわい大使命だいしめい立到たちいたつたまで大略あらまし
これからすうげつ航海かうかいともにするやうな運命うんめい立到たちいたつたのは、じつ濱島はまじまふがごとく、これ不思議ふしぎなるてん紹介ひきあはせとでもいふものであらう、おもつて、暫時しばしある想像さうざうふけつてとき