“鵺”の読み方と例文
読み方割合
ぬえ100.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこへ勝峯晉風かつみねしんぷう氏をも知るやうになり、七部集しちぶしふなどものぞきたれば、いよいよぬえの如しと言はざるべからず。
わが俳諧修業 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ぬえは単に未明の空を飛んで鳴くために、その声を聴いた者は呪言を唱え、鷺もふくろうも魔の鳥として、その異常な挙動を見た者は祭をした。
アームメットは鰐首がくしゅ獅胴河馬尻かばじりぬえ的合成獣で、もし死人の心臓と直な羽の重量めかたが合わば死人の魂は天に往き得るも
わたしが脚本というものに筆を染めた処女作は「紫宸殿ししんでん」という一幕物で、頼政よりまさぬえ退治を主題にした史劇であった。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
寝殿を中央に、左右の対屋から北の母屋もや、奥のつぼねまでも、為に、夜空の雲にぬえでも現われたように——鳴りしずまって、しんとしてしまった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
猫のつらで、犬の胴、狐の尻尾しりっぽで、おおきさはいたちの如く、啼声なくこえぬえに似たりとしてある。おっ可考かんがうべし
一寸怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
現に邑井貞吉翁は、「頼政ぬえ退治」に音吐朗々あの調子で「時鳥がホーホケキョウと啼いた」と演ってのけたことがあったが、客はほとんど気がつかなかった。
わが寄席青春録 (新字新仮名) / 正岡容(著)
ぬえ退治たいじられてしまいますと、天子てんしさまのおやまいはそれなりふきとったようになおってしまいました。
(新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「ねえ帆村君」と私は自信もないのに呼びかけた。「ほら昔のことだが、源三位頼政が退治をしたぬえという動物が居たね」
獏鸚 (新字新仮名) / 海野十三(著)
然しこの間違つた、滑稽な、ぬえのやうな、故意こいになした奇妙の形式は、しろ言現いひあらはされた叙事よりも、内容の思想をなほ能く窺ひ知らしめるのである。
虫干 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)