たゝ)” の例文
新字:
我はひとりの大いなる貴き君が他のかゝる君に迎へられ、かれらをかしむる天上のかてをばともにたゝふるを見き 二二—二四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ロオザは弟の手術を讚め、マリアも亦その恩惠をたゝへたり。マリアの云ふやう。目しひなりし時の心の取像しゆざうばかりしきはし。
逍遙子は星川子がためには萬理想を踏み付けて儼立げんりつしたるさま、天台一萬八千尺、碧林瑤草へきりんえうさう瓊樓玉闕けいろうぎよくけつ烟霧えんむうちにほの見ゆる如しとたゝへられ
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
幼君えうくん其時そのとき「これにてよきか」とものたづねたまへり。「天晴あつぱれ此上このうへさふらふ」と只管ひたすらたゝへつ。幼君えうくんかさねて、「いかになんじこゝろかなへるか、」
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其外双方さうはう付添つきそひの役人共みぎの通り申わたせしにより其むね心得こゝろえよと申渡されける實にや大岡殿の裁斷さいだん明鏡めいきやうに物をうつすが如く後世こうせい才量さいりやうたゝへるもむべなるかな
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
おぼえてるものぞ松澤まつざは若大將わかたいしやうたゝへられてせき上座かみくらまうけられしれすらみすぼらしき此服裝このなりよしやおもておぼえがればとて他人たにん空肖そらに
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
待ちましたと云ふ諸事左樣さう來て貰ひたしさすがは下諏訪の龜屋なりとたゝ土産みやげにとて贈られたる名物氷餅こほりもちを旅荷物のうちへ入れてうまどほであツたと馬士まごにも挨拶してこゝ
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
其方も見つらん、さんぬる春の花見の宴に、一門の面目とたゝへられて、舞妓まひこ白拍子しらびやうしにも比すべからんおの優技わざをば、さも誇り顏に見えしは、親の身の中々にはづかしかりし。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
とよたゝふるもよし、夢の世とくわんずるもよし。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
小男は我を顧みて、氣輕なる女なり、されどかほは醜からず、さは思ひ給はずやといふに、我はまことにおほせの如く、めでたき姿なりと讚めたゝへき。
殘の輪——わが來らざるさきにトムマのいたくたゝへたる——の秀づること必ずや汝にあきらかならむ 一〇九—一一一
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
わたしこれを、なんずるのでも、あざけるのでもない。いはんけつしてうらやむのではない。むし勇氣ゆうきたゝふるのであつた。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
見眞似みまね温順おとなしづくり何某學校なにがしがくかう通學生中つうがくせいちゆう萬緑叢中ばんりよくさうちゆう一點いつてんくれなゐたゝへられてあがりの高髷たかまげ被布ひふ扮粧でたち廿歳はたち
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ねぶりて居られたりと昔し足利家の御世みよ名奉行めいぶぎやうと世にたゝへたる青砥あをと左衞門尉藤綱も訴訟うつたへきく時は必らず目を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
すゝむるが例なりと質朴にしてまた禮ありとたゝへ皆な快く汲む終りて梅花道人は足のつかれ甚だしければ按摩あんまを取らんとてよぶいろ/\なぶりて果は露伴子も揉ませながら按摩あんまに年を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
あはれ、肩に懸けられし恩賜の御衣に一門の譽を擔ひ、み居る人よりは深山木みやまぎの楊梅とたゝへられ、枯野の小松と歌はれし其時は、人も我も誰れかは今日けふあるを想ふべき。昔は夢か今はうつゝか。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
我が子供と共に、燃ゆる竈の傍なる聖母の像のみまへにゆきて、讚美歌唱へはじめしとき、農夫等は聲を止めて、我曲を聽き、好き聲なりとたゝへき。
我を美しうする愛我を促していま一人ひとりの導者の事を語らしむ——彼の爲に、わが師いまかくたゝへられたり 三一—三三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ころ近國きんごく知事ちじおもひものりました……めかけとこそへ、情深なさけぶかく、やさしいのを、いにしへ國主こくしゆ貴婦人きふじん簾中れんちうのやうにたゝへられたのがにしおふなか河内かはち山裾やますそなる虎杖いたどりさと
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
よと故に八代將軍吉宗よしむね公は徳川氏中こうの君とたゝへ奉つる程の賢明けんめいましませば其下皆其にんかなはざるなく今般の巡見使松平縫殿頭ぬひのかみ殿も藤八お節が訴訟うつたへを一もくして其事いつはりならざるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
何れ劣らぬ情のこまやかさに心迷ひて、一つ身の何れをそれとも別ち兼ね、其れとは無しに人の噂に耳を傾くれば、或は瀧口が武勇ひとすぐれしをむるもあれば、或は二郎が容姿すがたかたちの優しきをたゝふるもあり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
わがうしろに砂を踏みくだく者はその名上の世にたゝへらるべきテッギアイオ・アルドブランディなり 四〇—四二
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)