生國しやうこく)” の例文
新字:生国
呼出よびいだされ亂心らんしんながら其方生國しやうこくは越後高田ざい寶田村にて父は憑司母は早をつとは昌次郎なる由云立しが相違さうゐなきかと尚再三尋問たづねられし上豫て入牢申付られたる庄兵衞を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
今三年の後に見たしと廓がへりの若者は申き、大黒屋だいこくや美登利みどりとて生國しやうこくは紀州、言葉のいさゝかなまれるも可愛く、第一は切れ離れよき氣象を喜ばぬ人なし、子供に似合ぬ銀貨入れの重きも道理
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
手帳てちやう留置とめおかれたり又若い者の喜七に向はれ其方生國しやうこく何國いづくにて年は何歳なるやと尋ねらるゝに喜七私し生國は下總國行徳ぎやうとくにて年は十九歳也と答へ夫れより越前守殿は松三郎金藏下男彌助に至る迄いづれも生國歳等としとう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
せい凱歌かちどきこゑいさましく引揚ひきあげしにそれとかはりて松澤まつざは周章狼狽しうしやうらうばいまこと寐耳ねみゝ出水でみづ騷動さうどうおどろくといふひまもなくたくみにたくみし計略けいりやくあらそふかひなく敗訴はいそとなり家藏いへくらのみか數代すだいつゞきし暖簾のれんまでもみなかれがしたればよりおちたる山猿同樣やまざるどうやうたのむ木蔭こかげ雨森新七あめもりしんしちといふ番頭ばんとう白鼠しろねづみ去年きよねん生國しやうこくかへりしのち
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
見て成程某のつれなりきやつ護摩灰ごまのはひならんによりたゞし呉れんと思ひし處とう/\今宵引捕ひつとらへたり一たい此奴こやつ某が連にはあらねども一昨日をとゝひ戸塚とつかざかひの燒持坂より連に成りたいとてつけきたりし者なるが生國しやうこくは近江の由なれど江戸へ商ひに出し歸りにて是より名古屋へまはり其後京大坂へ仕入しいれのぼるにより供を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)