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抑
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そ
ふりがな文庫
“
抑
(
そ
)” の例文
ドウしたってこの幕府と云うものは
潰
(
つぶ
)
さなくてはならぬ。
抑
(
そ
)
も今の幕政の
様
(
ざま
)
を見ろ。政府の御用と云えば、
何品
(
なにしな
)
を買うにも御用だ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
一人が塔の方を見た時、こは
抑
(
そ
)
も何事ぞ! 高塔の上からバークレーの町々に、オークランドの家々に静かに流れ渡るその歌は。
バークレーより
(新字新仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
このアインシュタイン物理学の実例めいた不可思議な現象は、
抑
(
そ
)
も何を語るものであるか、私はそこへ気がついたのであった。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
鎌倉殿上洛の人數も早や美濃路まで進まれたと聞くに、御出迎ひの用意もなく、そしらぬ顏して日を送らるゝは、
抑
(
そ
)
もいかなる次第であらうか。
佐々木高綱
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
余は
何時
(
いつ
)
とも無く不審を起し目科とは
抑
(
そ
)
も何者にやと疑いたり、
素
(
もと
)
より室と室、隣同士の事とて或は
燐寸
(
まっち
)
を貸し或は
小刀
(
ないふ
)
を借るぐらいの
交際
(
つきあい
)
は有り
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
▼ もっと見る
抑
(
そ
)
も恋愛の始めは
自
(
みづか
)
らの意匠を愛する者にして、対手なる女性は
仮物
(
かりもの
)
なれば、好しや其愛情益発達するとも遂には狂愛より静愛に移るの時期ある可し
厭世詩家と女性
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
抑
(
そ
)
も一朝一夕の
故
(
ゆゑ
)
に非らずサ、
遂
(
つひ
)
に
石心木腸
(
せきしんもくちやう
)
なる井上与重の如きをして、物や思ふと問はしむる迄に至つたのだ、僕の如きは
疾
(
とく
)
の昔から彼女をして義人を得
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
本多子爵の為か、明子の為か、
抑
(
そ
)
も亦予自身の為か。こは予も亦答ふる能はざるを
如何
(
いかん
)
。
開化の殺人
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それからは
霎時
(
しばらく
)
遠
(
とほ
)
ざかつて
居
(
ゐ
)
たが、四十一
年
(
ねん
)
六
月
(
ぐわつ
)
四
日
(
か
)
に、
一人
(
ひとり
)
で
寺尾
(
てらを
)
、
子安
(
こやす
)
、
篠原
(
しのはら
)
、
大網
(
おほあみ
)
、
樽
(
たる
)
、
駒岡
(
こまをか
)
の
諸遺跡
(
しよゐせき
)
を
過
(
す
)
ぎて、
末吉
(
すゑよし
)
に
掛
(
かゝ
)
つて
來
(
く
)
ると、
這
(
こ
)
は
抑
(
そ
)
も
如何
(
いか
)
に、
這
(
こ
)
は
如何
(
いか
)
にである。
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
抑
(
そ
)
も幾年の学びたる力一杯鍛いたる腕一杯の経験
修錬
(
しゅれん
)
、
渦
(
うず
)
まき起って
沸々
(
ふつふつ
)
と、今
拳頭
(
けんとう
)
に
迸
(
ほとばし
)
り、
倦
(
うむ
)
も
疲
(
つかれ
)
も忘れ果て、心は
冴
(
さえ
)
に
冴
(
さえ
)
渡る不乱不動の
精進波羅密
(
しょうじんはらみつ
)
、骨をも休めず筋をも緩めず
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
金無垢
(
きんむく
)
で
丈
(
たけ
)
は四寸二分の如来様だそうだ、己も此の間お開帳の時ちょっと見たが、あの時坊さんが何か云ってたよ、
抑
(
そ
)
も
何
(
なん
)
とかいったっけ、あれに
違
(
ちげ
)
えねえ、
何
(
なん
)
でも大変な
作物
(
さくもの
)
だそうだ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
抑
(
そ
)
も
此男
(
このをとこ
)
は
父
(
ちゝ
)
の
死
(
しん
)
だ
後
(
あと
)
、
市街外
(
まちはづ
)
れに
在
(
あ
)
る
小
(
ちひ
)
さな
莊園
(
しやうゑん
)
を
承嗣
(
うけつい
)
だので、
此
(
この
)
莊園
(
しやうゑん
)
こそ
怠惰屋
(
なまけや
)
の
店
(
みせ
)
とも
謂
(
いひ
)
つべく、
其
(
その
)
白
(
しろ
)
い
壁
(
かべ
)
は
年古
(
としふり
)
て
崩
(
くづ
)
れ
落
(
お
)
ち、
蔦
(
つた
)
葛
(
かづら
)
思
(
おも
)
ふがまゝに
這纏
(
はひまと
)
ふた
門
(
もん
)
は
年中
(
ねんぢゆう
)
開
(
あけ
)
つ
放
(
ぱな
)
しで
閉
(
とぢ
)
たことなく
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
吾人
(
われら
)
は今文明急流の中に舟を棹しつゝあり、只順風に帆を
挙
(
あげ
)
て、自然に其運行に任すべきか、
抑
(
そ
)
も
預
(
あらか
)
じめ向て進むべき標的を一定し置くべきか、
若
(
も
)
し此
儘
(
まゝ
)
に盲進するも、前程に於て、渦流、暗礁
英雄論:明治廿三年十一月十日静岡劇塲若竹座に於て演説草稿
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
仕合とは何事ぞや
抑
(
そ
)
も
當歳
(
たうさい
)
にて
産
(
うみ
)
の母に
死別
(
しにわか
)
れ
七歳
(
なゝつ
)
の年には父にさへ
死
(
しな
)
れ師匠の
惠
(
めぐみ
)
に
養育
(
やういく
)
せられ漸く成長はしたるなり
斯
(
かく
)
墓
(
はか
)
なき身を仕合とは又何故にお前は其樣に
歎
(
なげ
)
き給ふぞと
尋
(
たづね
)
けるお三婆は
落
(
おつ
)
る涙を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
出せかしと勸告せらるゝ
向
(
むき
)
もあれどイヤ其の仰せは
僻事
(
ひがごと
)
なり
抑
(
そ
)
もと堅く出て左樣な
否
(
いや
)
らしき儀
一切
(
いつせつ
)
謝絶諸事頼朝流の事と取極め政子崇拜主義となりぬ
皆樣
(
みなさん
)
も是非
饗庭黨
(
あへばたう
)
となり玉へ世の中まことに穩かにて至極
野氣
(
のんき
)
で第一は壽命の藥女は命を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
抑
(
そ
)
も
此世界
(
このせかい
)
は
地球
(
ちきう
)
と
唱
(
とな
)
へ
圓
(
まろ
)
きものにて
自分
(
じぶん
)
に
舞
(
ま
)
ひながら
日輪
(
にちりん
)
の
周圍
(
まはり
)
を
廻
(
まは
)
ること、これを
譬
(
たと
)
へば
獨樂
(
こま
)
の
舞
(
ま
)
ひながら
丸行燈
(
まるあんどう
)
の
周圍
(
まはり
)
を
廻
(
まは
)
るが
如
(
ごと
)
し。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
彼を傷つけた張子の岩の中の人物は
抑
(
そ
)
も何者であったのか。いや、それよりも気がかりなのは珠子さんの身の上だ。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
尤も多く人世の秘奥を究むるといふ詩人なる怪物の尤も多く恋愛に罪業を作るは、
抑
(
そ
)
も
如何
(
いか
)
なる
理
(
ことわり
)
ぞ。
厭世詩家と女性
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
空しく長き
嘈
(
うめ
)
き声を洩すのみ、此有様
抑
(
そ
)
も如何ように見て取る可きか、目科は
隙
(
すか
)
さず
突
(
つい
)
て入り
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
これは
抑
(
そ
)
も何事であろうと、私は再び
床
(
とこ
)
の上に
俯伏
(
うつぶ
)
して、
窃
(
ひそ
)
かに
其
(
そ
)
の怪しの者の挙動を窺っていると、光はますます明るくなって、人は次第に窓の方へ歩み寄る、
其
(
そ
)
の人は女、
正
(
まさ
)
しく三十前後の女
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
仏蘭西
(
フランス
)
では徴兵令を
厲行
(
れいこう
)
して居るが
英吉利
(
イギリス
)
には徴兵令がないと云う、その徴兵令と云うのは、
抑
(
そ
)
も
如何
(
どう
)
云う趣向にしてあるのか、その辺の事情が
頓
(
とん
)
と分らない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
アアこの老人、我が妻瑠璃子について、
抑
(
そ
)
も何を語ろうとするのであろう。
白髪鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
他人に私事を語らず私が経済上に堅固を
守
(
まもっ
)
て臆病で大胆な事の出来ないのは、先天の性質であるか、
抑
(
そ
)
も
亦
(
また
)
身の境遇に駈られて
遂
(
つい
)
に堅く
凝
(
こ
)
り固まったものでしょう。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
抑
常用漢字
中学
部首:⼿
7画
“抑”を含む語句
抑揚
抑々
抑〻
抑留
抑圧
抑止
抑制
圧抑
一揚一抑
謙抑
抑遜
抑損
抑揚頓挫
抑塞
抑鬱
抑覇
抑聞
斂抑
枉抑
裁抑
...