)” の例文
ドウしたってこの幕府と云うものはつぶさなくてはならぬ。も今の幕政のざまを見ろ。政府の御用と云えば、何品なにしなを買うにも御用だ。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
一人が塔の方を見た時、こはも何事ぞ! 高塔の上からバークレーの町々に、オークランドの家々に静かに流れ渡るその歌は。
バークレーより (新字新仮名) / 沖野岩三郎(著)
このアインシュタイン物理学の実例めいた不可思議な現象は、も何を語るものであるか、私はそこへ気がついたのであった。
陰獣 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
鎌倉殿上洛の人數も早や美濃路まで進まれたと聞くに、御出迎ひの用意もなく、そしらぬ顏して日を送らるゝは、もいかなる次第であらうか。
佐々木高綱 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
余は何時いつとも無く不審を起し目科とはも何者にやと疑いたり、もとより室と室、隣同士の事とて或は燐寸まっちを貸し或は小刀ないふを借るぐらいの交際つきあいは有り
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
も恋愛の始めはみづからの意匠を愛する者にして、対手なる女性は仮物かりものなれば、好しや其愛情益発達するとも遂には狂愛より静愛に移るの時期ある可し
厭世詩家と女性 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
も一朝一夕のゆゑに非らずサ、つひ石心木腸せきしんもくちやうなる井上与重の如きをして、物や思ふと問はしむる迄に至つたのだ、僕の如きはとくの昔から彼女をして義人を得
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
本多子爵の為か、明子の為か、も亦予自身の為か。こは予も亦答ふる能はざるを如何いかん
開化の殺人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
それからは霎時しばらくとほざかつてたが、四十一ねんぐわつに、一人ひとり寺尾てらを子安こやす篠原しのはら大網おほあみたる駒岡こまをか諸遺跡しよゐせきぎて、末吉すゑよしかゝつてると、如何いかに、如何いかにである。
も幾年の学びたる力一杯鍛いたる腕一杯の経験修錬しゅれんうずまき起って沸々ふつふつと、今拳頭けんとうほとばしり、うむつかれも忘れ果て、心はさえさえ渡る不乱不動の精進波羅密しょうじんはらみつ、骨をも休めず筋をも緩めず
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
金無垢きんむくたけは四寸二分の如来様だそうだ、己も此の間お開帳の時ちょっと見たが、あの時坊さんが何か云ってたよ、なんとかいったっけ、あれにちげえねえ、なんでも大変な作物さくものだそうだ
此男このをとこちゝしんあと市街外まちはづれにちひさな莊園しやうゑん承嗣うけついだので、この莊園しやうゑんこそ怠惰屋なまけやみせともいひつべく、そのしろかべ年古としふりくづち、つたかづらおもふがまゝに這纏はひまとふたもん年中ねんぢゆうあけぱなしでとぢたことなく
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
吾人われらは今文明急流の中に舟を棹しつゝあり、只順風に帆をあげて、自然に其運行に任すべきか、あらかじめ向て進むべき標的を一定し置くべきか、し此まゝに盲進するも、前程に於て、渦流、暗礁
仕合とは何事ぞや當歳たうさいにてうみの母に死別しにわか七歳なゝつの年には父にさへしなれ師匠のめぐみ養育やういくせられ漸く成長はしたるなりかくはかなき身を仕合とは又何故にお前は其樣になげき給ふぞとたづねけるお三婆はおつる涙を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
出せかしと勸告せらるゝむきもあれどイヤ其の仰せは僻事ひがごとなりもと堅く出て左樣ないやらしき儀一切いつせつ謝絶諸事頼朝流の事と取極め政子崇拜主義となりぬ皆樣みなさんも是非饗庭黨あへばたうとなり玉へ世の中まことに穩かにて至極野氣のんきで第一は壽命の藥女は命を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
此世界このせかい地球ちきうとなまろきものにて自分じぶんひながら日輪にちりん周圍まはりまはること、これをたとへば獨樂こまひながら丸行燈まるあんどう周圍まはりまはるがごとし。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
彼を傷つけた張子の岩の中の人物はも何者であったのか。いや、それよりも気がかりなのは珠子さんの身の上だ。
妖虫 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
尤も多く人世の秘奥を究むるといふ詩人なる怪物の尤も多く恋愛に罪業を作るは、如何いかなることわりぞ。
厭世詩家と女性 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
空しく長きうめき声を洩すのみ、此有様も如何ように見て取る可きか、目科はすかさずついて入り
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
これはも何事であろうと、私は再びとこの上に俯伏うつぶして、ひそかにの怪しの者の挙動を窺っていると、光はますます明るくなって、人は次第に窓の方へ歩み寄る、の人は女、まさしく三十前後の女
画工と幽霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
仏蘭西フランスでは徴兵令を厲行れいこうして居るが英吉利イギリスには徴兵令がないと云う、その徴兵令と云うのは、如何どう云う趣向にしてあるのか、その辺の事情がとんと分らない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
アアこの老人、我が妻瑠璃子について、も何を語ろうとするのであろう。
白髪鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
他人に私事を語らず私が経済上に堅固をまもって臆病で大胆な事の出来ないのは、先天の性質であるか、また身の境遇に駈られてついに堅くり固まったものでしょう。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)