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惟
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ただ
ふりがな文庫
“
惟
(
ただ
)” の例文
恒産なくして恒心あるは、
惟
(
ただ
)
士のみ
能
(
よ
)
くするを
為
(
な
)
す。民の
若
(
ごと
)
きは
則
(
すなわ
)
ち恒産なくんば因って恒心なし。
苟
(
いやし
)
くも恒心なくんば、
放辟
(
ほうへき
)
邪侈
(
じゃし
)
、
為
(
な
)
さざるところなし。
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
子顔渕に謂いて曰く、之を用うるときは則ち行い、之を
舎
(
す
)
つるときは則ち蔵す。
惟
(
ただ
)
我と爾と是れあるかなと。子路曰く、子三軍を
行
(
や
)
らば、即ち誰と与にせんかと。
論語物語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
有若曰く、
豈
(
あに
)
惟
(
ただ
)
に民のみならんや。
麒麟
(
きりん
)
の走獣に於ける、
鳳凰
(
ほうおう
)
の飛鳥に於ける、
泰山
(
たいざん
)
の
丘垤
(
きゅうてつ
)
に於ける、
河海
(
かかい
)
の
行潦
(
こうろう
)
に於けるは類なり。聖人の民に於けるも
亦
(
また
)
類なり。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
必ずや
諸
(
これ
)
を身に
本
(
もと
)
づけ、諸を政教に
見
(
あら
)
わし、以て
物
(
もの
)
を成す可き者は、
其
(
そ
)
れ
惟
(
ただ
)
聖人の学
乎
(
か
)
、聖道を去って
而
(
しこう
)
して
循
(
したが
)
わず、而して
惟
(
ただ
)
蠹
(
と
)
にこれ帰す。甚しい
哉
(
かな
)
惑えるや、と。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
兄弟よ我なんじらに示す我がかつて爾らに伝えし所の福音は人より出づるにあらず、
蓋
(
けだ
)
し
(
ママ
)
われ之を人より受けずまた教えられず、
惟
(
ただ
)
イエス、キリストの
黙示
(
もくし
)
によりて
受
(
うけ
)
たればなり
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
▼ もっと見る
惟
(
ただ
)
経史子集は世の重要視する所であるから、『経籍訪古志』は一の
徐承祖
(
じょしょうそ
)
を得て公刊せられ、「古武鑑」や古江戸図は、わたくしどもの如き微力な
好事家
(
こうずか
)
が
偶
(
たまたま
)
一顧するに過ぎないから
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
否孟子は、恒産なくんば因って恒心なしということを言い出す前に、「民の
若
(
ごと
)
きは
則
(
すなわ
)
ち」と付け加えており、なおその前に「恒産なくして恒心ある者は
惟
(
ただ
)
士のみ
能
(
よ
)
くするを
為
(
な
)
す」
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
若
(
も
)
し
強
(
し
)
いて道衍の為に解さば、
惟
(
ただ
)
是
(
こ
)
れ道衍が天に
禀
(
う
)
くるの気と、自ら
負
(
たの
)
むの材と、
莾々
(
もうもう
)
、
蕩々
(
とうとう
)
、
糾々
(
きゅうきゅう
)
、
昂々
(
こうこう
)
として、屈す
可
(
べ
)
からず、
撓
(
たわ
)
む可からず、
消
(
しょう
)
す可からず、
抑
(
おさ
)
う可からざる者
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
我は我の神を拝し
惟
(
ただ
)
これにのみ
事
(
つか
)
うべしと、基督の決心ここにおいて定まり、生涯の行路彼に
指示
(
しし
)
されたれば、悪魔は彼を
説服
(
ときふく
)
するに由なく、ついに彼を去りたれば天使来りて彼に
事
(
つか
)
えたり。
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
是
(
かく
)
の如くなる可からざる也、と云い、
晦庵
(
かいあん
)
の言を
難
(
なん
)
しては、朱子の
寱語
(
げいご
)
、と云い、
惟
(
ただ
)
私意を
逞
(
たくま
)
しくして以て仏を
詆
(
そし
)
る、と云い、朱子も
亦
(
また
)
怪なり、と云い、晦庵
此
(
かく
)
の如くに心を用いば
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
今や民の産を制して、仰いでは以て父母に事うまつるに足らず、俯しては以て妻子を畜うに足らず、楽歳には終身苦しみ、凶年には死亡を免れず、これ
惟
(
ただ
)
死を救うて
贍
(
た
)
らざらんを恐る。
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
惟
漢検準1級
部首:⼼
11画
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