心弱こゝろよわ)” の例文
引斷ひきちぎりては舌鼓したうちして咀嚼そしやくし、たゝみともはず、敷居しきゐともいはず、吐出はきいだしてはねぶさまは、ちらとるだに嘔吐おうどもよほし、心弱こゝろよわ婦女子ふぢよし後三日のちみつかしよくはいして、やまひざるはすくなし。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
微笑びせうふくみてみもてゆく、こゝろ大瀧おほだきにあたりて濁世じよくせあかながさんとせし、それ上人しやうにんがためしにもおなじく、戀人こひゞとなみだ文字もじ幾筋いくすぢたきほとばしりにもて、うしなはん心弱こゝろよわ女子をなごならば。
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
生憎あいにく夜風よかぜさぶく、ゆめのやうなるかんがまたもやふつと吹破ふきやぶられて、ええわたしそのやうな心弱こゝろよわことかれてならうか、最初さいしよあのうち嫁入よめいりするときから、東二郎とうじらうどのを良人をつとさだめてつたのではいものを
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)