徉徜さまよ)” の例文
かばん脊負しよつてたのは木樵きこり権七ごんしちで、をとこは、おうら見失みうしなつた当時たうじ、うか/\城趾しろあと徉徜さまよつたのを宿やどつれられてから、一寸々々ちよい/\ては記憶きおくうちかげあらはす。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
した徉徜さまよつてると何處どこともなくッとこゑがしたので、おもはずあいちやんは後退あとじさりしました、ト一おほきなはとかほびついて、つばさもつはげしくあいちやんをちました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
さけぶのが、はるかに、よわ稲妻いなづまのやうに夜中よなかはしつて、提灯ちやうちん点々ぽつ/\なはて徉徜さまよふ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それをんなたすいたところは、夜一夜よひとよ辿々たど/\しく、山路野道やまみちのみちいばらなか徉徜さまよつた落人おちうどに、しらんだやうでもあるし、生命懸いのちがけ喧嘩けんくわからあはたゞしく抜出ぬけだしたのが、せいきて疲果つかれはてたものらしくもある。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)