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常盤木
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ときわぎ
ふりがな文庫
“
常盤木
(
ときわぎ
)” の例文
右
(
みぎ
)
も
左
(
ひだり
)
も
削
(
けず
)
ったような
高
(
たか
)
い
崖
(
がけ
)
、そこら
中
(
じゅう
)
には
見上
(
みあ
)
げるような
常盤木
(
ときわぎ
)
が
茂
(
しげ
)
って
居
(
お
)
り、いかにもしっとりと
気分
(
きぶん
)
の
落
(
お
)
ちついた
場所
(
ばしょ
)
でした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
うす緑色の木の葉も見えれば、
真蒼
(
まっさお
)
な
常盤木
(
ときわぎ
)
の色も見えている……しかし人影は見えなくて静かな初夏の真昼である。
稚子ヶ淵
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そのころ
発兌
(
はつだ
)
の娯楽雑誌関係者は故石橋思案、森暁紅諸家のごとく、
常盤木
(
ときわぎ
)
倶楽部落語研究会の青竹めぐらした柵の中から生れきた通人粋子に非ずして
我が円朝研究:「怪談牡丹灯籠」「江島屋騒動」「怪談乳房榎」「文七元結」「真景累ヶ淵」について
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
そこの岸辺には、こんもりと茂った
常盤木
(
ときわぎ
)
の林があって、その青い中に、
雑木
(
ぞうき
)
の紅葉が美しい
朱
(
しゅ
)
を点じ、それが動かぬ水に、ハッキリと姿を
映
(
うつ
)
していた。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
青苔
(
あおごけ
)
に
沁
(
し
)
む風は、坂に草を
吹靡
(
ふきなび
)
くより、おのずから
静
(
しずか
)
ではあるが、階段に、緑に、堂のあたりに散った
常盤木
(
ときわぎ
)
の落葉の乱れたのが、いま、そよとも動かない。
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
伽藍のあわいあわいにおい茂る春の木、初夏の木、
常盤木
(
ときわぎ
)
は、まこと文字どおりの青葉ざかりでした。
右門捕物帖:15 京人形大尽
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
新葉を
芽
(
めぐ
)
まない雑木林は、その枝を空へ
帚木
(
ははきぎ
)
のように延ばし、それを左右に打ち振った。また
常盤木
(
ときわぎ
)
の群木立は、去年のままの暗い緑を、さも物憂そうに顫わせた。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
掩
(
おお
)
い
冠
(
かぶ
)
さるように枝を延している紅葉の色の
美
(
うるわ
)
しさは、比ぶるにものがない。前には
常盤木
(
ときわぎ
)
の繁れる源氏山が
聳
(
そび
)
えている。後の方は今来た道を、遠く富士が頂きを見せている。
白峰の麓
(新字新仮名)
/
大下藤次郎
(著)
後楽園
(
こうらくえん
)
のさくらや、
常盤木
(
ときわぎ
)
をこえて、富士がよく見えた。江戸城も南に望まれる。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
午
(
ひる
)
すぎ帰つてくると、
常盤木
(
ときわぎ
)
に囲まれた薄暗い奥の座敷に、見慣れぬ一人の男が端然と坐り、痛ましく
窶
(
やつ
)
れた頬をしてゐる気むづかしい祖父の前に、両手をついておじきをしてゐる姿を
父の帰宅
(新字旧仮名)
/
小寺菊子
(著)
旧
(
ふる
)
びたる
鷹匠頭巾
(
たかじょうずきん
)
、ふかぶかと
被
(
かぶ
)
り、
凍
(
こご
)
えて赤うなりし両手さしのべて、浅き
目籠
(
めご
)
の
縁
(
ふち
)
を持ちたり。目籠には、
常盤木
(
ときわぎ
)
の葉、敷き重ねて、その上に時ならぬ
菫花
(
すみれ
)
の束を、愛らしく結びたるを載せたり。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
立
(
た
)
ちし
物
(
もの
)
の
此文
(
このふみ
)
には
何
(
なん
)
の
文言
(
もんごん
)
どういふ
風
(
ふう
)
に
書
(
か
)
きて
有
(
あ
)
るにや
表書
(
おもてが
)
きの
常盤木
(
ときわぎ
)
のきみまゐるとは
無情
(
つれなき
)
ひとへといふ
事
(
こと
)
か
岩間
(
いはま
)
の
清水
(
しみづ
)
と
心細
(
こゝろぼそ
)
げには
書
(
か
)
き
給
(
たま
)
へど
扨
(
さて
)
も/\
御手
(
おて
)
のうるはしさお
姿
(
すがた
)
は申すも
更
(
さら
)
なり
御心
(
おこゝろ
)
だてと
云
(
い
)
ひお
學問
(
がくもん
)
と
云
(
い
)
ひ
欠
(
か
)
け
處
(
どころ
)
なき
御方
(
おかた
)
さまに
思
(
おも
)
はれて
嫌
(
い
)
やとはよもや
仰
(
おほ
)
せられまじ
我
(
わ
)
れ
深山育
(
みやまそだ
)
ちの
身
(
み
)
として
比
(
くら
)
べ
物
(
もの
)
になる
心
(
こゝろ
)
は
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
岩屋
(
いわや
)
から
少
(
すこ
)
し
参
(
まい
)
りますと、モーそこはすぐ
爪先上
(
つまさきあが
)
りになって、
右
(
みぎ
)
も
左
(
ひだり
)
も、
杉
(
すぎ
)
や
松
(
まつ
)
や、その
他
(
た
)
の
常盤木
(
ときわぎ
)
のしんしんと
茂
(
しげ
)
った、
相当
(
そうとう
)
険
(
けわ
)
しい
山
(
やま
)
でございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
そこから、
彼方
(
かなた
)
遙
(
はる
)
か、京都の方を望んで。御所の
常盤木
(
ときわぎ
)
を胸に思って。
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
脚下
(
きゃっか
)
は一
帯
(
たい
)
の
白砂
(
はくさ
)
で、そして
自分
(
じぶん
)
の
立
(
た
)
っている
巌
(
いわ
)
の
外
(
ほか
)
にも
幾
(
いく
)
つかの
大
(
おお
)
きな
巌
(
いわ
)
があちこちに
屹立
(
きつりつ
)
して
居
(
お
)
り、それにはひねくれた
松
(
まつ
)
その
他
(
た
)
の
常盤木
(
ときわぎ
)
が
生
(
は
)
えて
居
(
い
)
ましたが、
不図
(
ふと
)
気
(
き
)
がついて
見
(
み
)
ると
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
常
常用漢字
小5
部首:⼱
11画
盤
常用漢字
中学
部首:⽫
15画
木
常用漢字
小1
部首:⽊
4画
“常盤”で始まる語句
常盤
常盤橋
常盤座
常盤御前
常盤津
常盤町
常盤樹
常盤範貞
常盤井
常盤亭