“姫(き)” の例文
... 寡人(くわじん)、此(この)二姫(き)に非(あら)ざれば、食(しよく)、味(あぢはひ)を甘(あま)しとせず。願(ねが)はくは斬(き)る勿(な)かれ』と。孫子(そんし)曰(いは)く、『臣(しん)、既(すで)に已(すで)に命(めい)を受(う)けて將(しやう)たり。將(しやう)は軍(ぐん)に在(あ)りては君命(くんめい)をも受(う)けざる所(ところ)有(あ)り』
此(こ)の姫(き)また毎(つね)に琥珀(こはく)を以(もつ)て佩(おび)として、襲衣(しふい)の裡(うち)に人知(ひとし)れず包(つゝ)みて緊(し)む。立居(たちゐ)其(そ)の度(たび)になよやかなる玉(たま)の骨(ほね)、一(ひと)つ/\琴(こと)の絲(いと)の如(ごと)く微妙(びめう)の響(ひゞき)を作(な)して、聞(き)くものの血(ち)を刺(さ)し、肉(にく)を碎(くだ)かしめき。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
姫(き)も 孔(こう)も 亦何人(なんぴと)ぞや
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
呉(ご)の孫權(そんけん)、或時(あるとき)、曹(さう)再興(さいこう)をして屏風(びやうぶ)に畫(ゑが)かしむ、畫伯(ぐわはく)筆(ふで)を取(と)つて誤(あやま)つて落(おと)して素(しろ)きに點(てん)打(う)つ。因(よ)つてごまかして、蠅(はへ)となす、孫權(そんけん)其(そ)の眞(しん)なることを疑(うたが)うて手(て)を以(もつ)て彈(はじ)いて姫(き)を顧(かへり)みて笑(わら)ふといへり。
聞きたるまゝ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)