君達きみたち)” の例文
おゝ! 君達きみたちにもほゞ想像さうざう出来できるか、おうらさらはれた、天狗てんぐつかんだ、……おそらくうだらう。……が、わたしこれ地祇神とちのかみ所業しよげふおもふ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「うらやましからう。だが、これは天祐てんゆうといふもので、いくら自分じぶん君達きみたちをいれてあげやうとしたところで駄目だめなんだ」
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
「では、どんなにしてやりますか? もう十時過ぎです。なるべく僕は傍聴人にさせてもらつて、君達きみたち子供だけでやつて見たら面白いだらうと思ふ。どうかね?」
仔猫の裁判 (新字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
君達きみたち娯樂ごらくともならばしたまへとうつくしきたましひぐ」といふあなたの歌をS誌上しじやうに見たその時の、なんともいふことの出來ないその心持こゝろもちを、私はまだまざ/\とおぼえてゐます。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
火星くわせい重力じゆうりよくは 地球ちきゆうの五ぶんノ二しかない。だから君達きみたちおもさも五ぶんノ二にへった。)
僕はそんなものを、君達きみたちにあげた覚えはないよ。多分山野家が、だんだんと、昔の家来たちに、忘れられて行くのを苦しく思つて、家令どもが、そんな事をはじめたのだらう。へえん、さうかなあ。
硯箱と時計 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
全體ぜんたい君達きみたち品川しながは何處どこだ』
ところを、君達きみたち、それ春家はるいへ。と、そでこと一尺いつしやくばかり。春家はるいへかほいろくちあゐのやうにつて、一聲ひとこゑあつとさけびもあへず、たんとするほどに二度にどたふれた。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なつころ染殿そめどの辰巳たつみやま木隱こがくれに、君達きみたち二三人にさんにんばかりすゞんだうちに、春家はるいへまじつたが、ひとたりけるそばよりしも、三尺許さんじやくばかりなる烏蛇くろへび這出はひでたりければ、春家はるいへはまだがつかなかつた。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)