前額ひたひ)” の例文
内新好ないしんかうが『一目ひとめ土堤づゝみ』に穿ゑぐりしつう仕込じこみおん作者さくしや様方さまがた一連いちれんを云ふなれば、其職分しよくぶんさらおもくしてたふときは扇子せんす前額ひたひきたへる幇間だいこならんや。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
顔の丸い、髪の前額ひたひおほつた二十一二の青年で、これは村でも有数の富豪の息子であるといふ事であつた。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
主人の佐兵衞はよく禿げた前額ひたひを叩くやうに、薄暗い奧から飛んで出ました。
といふのが何よりもたのしみなものなのだ。もしかそれ以上の娯みがあるとしたら、それは日当りのいゝ縁先で、禿げ上つた前額ひたひ一面に生え残りの髪を几帳面に一本一本ならべる位のものだらう。
君達の前額ひたひをふいてゐるそよ風は私等がここからおくつてゐるのだ
前額ひたひのしわはいやふかし。
北村透谷詩集 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
夫から日本にも来てゐるが、矮狗ちん位な大きさで頭の毛が長く幾すぢとなく前額ひたひに垂れて目をかくしてゐる「スカイ、テリヤー」といふ奴、彼奴あいつはどうも汚臭ぢゞむさくて、人間なら貧乏書生染みて不可いかんな。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
骨董屋は贋物いかものらしいてらてらした前額ひたひを撫でながら言つた。