入道にふだう)” の例文
「今夜の踊りは面白かつたが、あんまり面白いのでお化けまでが浮れ出て、田圃の中で、見越の入道にふだうの通るのを見た人間が、三四人もあるさうだよ」
たとへば、印度いんどの三明王めうわうへんじて通俗つうぞくの三入道にふだうとなり、鳥嘴てうし迦樓羅王かろらわうへんじてお伽噺とぎばなし烏天狗からすてんぐとなつた。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
入道にふだうの、のそ/\と身動みうごきするのが、暗夜やみなかに、くもすそひく舞下まひさがつて、みづにびつしより浸染にじんだやうに、ぼうと水気すゐきつので、朦朧もうろうとしてえた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一門のたより、天下の望みをつなぐ御身なれば、さすがの横紙よこがみやぶりける入道にふだうも心を痛め、此日あさまだき西八條より遙々はる/″\の見舞に、内府ないふも暫く寢處しんじよを出でて對面あり、半晌計はんときばかて還り去りしが
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
五位ごゐ入道にふだう 阿弥陀仏よや。おおい。おおい。
往生絵巻 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
むらさき一度いちどちうえつゝ、はしえた改札口かいさつぐちへ、ならんで入道にふだうくやうにして、かすか電燈でんとううつつた姿すがたは、みゝかくしも、のまゝ、さげがみの、黒髮くろかみながらふたけてさへえた。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
とばつたりひざく、と入道にふだう足代あじろうへから、蔽被おつかぶさるやうにのぞいて
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
……それも本意ほいなさのひとつであつた。が、あらためて祈念きねんした。やうなわけで、へんであつたらう。見上みあげるやうな入道にふだうが、のろりとしつはひつてた。づんぐりふとつたが、年紀としは六十ばかり。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
顔色かほいろあをざめたすみ法衣ころもの、がんばり入道にふだうかげうすさも不気味ぶきみ和尚をしやうなまづでもけたか、とおもふたが、——く/\の次第しだいぢや、御出家ごしゆつけ、……大方おほかた亡霊ばうれい廻向えかうたのむであらうとおもふで、功徳くどく
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)