串戲じようだん)” の例文
新字:串戯
串戲じようだんぢやない。おめえくつをしけりや、おれだつて衣服きものをしいや。いくらあたらしいくつだつてどろがついてら、をつけねえか。」と、けぐめをくらはす。
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ましてや此大島田に折ふしは時好の花簪さしひらめかしてお客を捉らへて串戲じようだんいふ處を聞かば子心には悲しくも思ふべし、去年あひたる時今は駒形の蝋燭やに奉公して居まする
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
串戲じようだんはよして貰はう。私は本氣になつてるんだ。」
計画 (旧字旧仮名) / 平出修(著)
百兩ひやくりやうをほどけばひとをしさらせる)古川柳こせんりうたいしてはづかしいが(特等とくとうといへば番頭ばんとうをしさり。)は如何いかん? 串戲じようだんぢやあない。が、事實じじつである。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
と、發着はつちやくえき靜岡しづをかもどしてると、「や、此奴こいつよわつた。」おもはずこゑしてつぶやいた。靜岡着しづをかちやく午前ごぜんまさに四時よじなのであつた。いや、串戲じようだんではない。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
串戲じようだんつちやけません。あれをつてようものなら、かはつこつてしまつたんです。」と、無論むろんたか俥代くるまだいはらつて、くるまうちまでつてたものです。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
加減かげんにしねえな。おい、串戲じようだんぢやねえ。おまへまへだがね、惡女あくぢよ深情ふかなさけつてのを通越とほりこしてるから、おにはれやしねえかツて、みな友達ともだちあんじてるんだ。
鑑定 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
串戲じようだんぢやありません、眞個ほんとうです。……ですから二階同士にかいどうし結構けつこうですとも。……そして、わたしに……とおつしやつて、貴女あなたなんでございます……御遠慮ごゑんりよりません。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
第一だいいち場所ばしよわるいや、鬼門關きもんくわんでおいでなさる、串戲じようだんぢやねえ。しからずきりかゝつて方角はうがくわからねえ。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
紅葉先生こうえふせんせい辭句じく修正しうせいしたものは、おそらく文壇ぶんだんおいわたし一人ひとりであらう。そのかはりるほどにしかられた。——なに五錢ごせんぐらゐ、自分じぶん小遣こづかひがあつたらうと、串戲じようだんをおつしやい。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かんがへると、(をかしてならん。)と一寸ちよつと京阪かみがた言葉ことば眞似まねる。串戲じようだんではない。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
串戲じようだんぢやあない。」
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)