不在ふざい)” の例文
それで被害者ひがいしやはうはなしきまつたのだからうへ警察けいさつ手加減てかげんつよりほかみちいのであるが、不在ふざいであつた主人しゆじんかへらない。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ちょうどゴルドン一行が不在ふざいのあいだに、富士男はかねがね心にかかることがあるので、弟の次郎をひそかによんできいた。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
梅子はう答へて、すぐ新聞をひざからおろすと、手を鳴らして、小間使こまづかひを呼んだ。代助は再びちゝざい不在ふざいたしかめた。梅子は其とひをもう忘れてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
玄関では細君さいくんがでて、ねんごろに主人の不在ふざいなことをいうて、たばこぼんなどをだした。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
にんがつして頼母たのもうてると、住職じうしよく不在ふざいとある。
平岡ひらをか不在ふざいであつた。それをいた時、代助ははなしてゐやすい様な、又はなしてゐにくい様な変な気がした。けれども三千代の方はつねの通り落ちいてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
かれ到底たうてい寸時すんじいへへられなくつて、となりかれ主人しゆじんすがらうとした。しきゐすことがかれにはどれほどつらかつたかれぬ。主人しゆじん不在ふざいであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
彼等かれらのあるものは、避暑ひしよといふ名義めいぎもとに、すで東京とうきやうはなれてゐた。あるものは不在ふざいであつた。またあるものは多忙たばうのためときして、勤務先きんむさきはうとつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
宜道ぎだう此時このときあらためて遠來ゑんらいひとたいして自分じぶん不在ふざいびた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)