“たお”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タオ
語句割合
斃38.8%
仆26.7%
倒19.5%
殪5.3%
手折3.8%
僵2.6%
嫋0.8%
踣0.5%
手弱0.3%
什0.1%
倒壊0.1%
峠0.1%
崩打0.1%
廃0.1%
弊0.1%
手打0.1%
手織0.1%
撓0.1%
朴0.1%
臥0.1%
艶0.1%
頽0.1%
顛0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それから妾はキヨにいろいろ命じたりして、約五分か十分経って、妾が離座敷に行ったときには、もう真一が斃(たお)れていたのであった。
三人の双生児 (新字新仮名) / 海野十三(著)
血を吐いた余は土俵の上に仆(たお)れた相撲と同じ事であった。自活のために戦う勇気は無論、戦わねば死ぬという意識さえ持たなかった。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ロボはその喉(のど)に食いついたなり、身を沈(しず)め、うんとふんばると、牝牛(めうし)は、角を地についてまっさかさまに大きくとんぼ返りに倒(たお)れる。
武蔵にも十三歳で有馬喜兵衛という剣豪を殪(たお)したという話から始まって、晩年六十歳頃までの逸事は相当に残っていることはいる。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
われわれは今日(こんにち)春の日の麗(うるわ)しい自然美を歌おうとするに、どういう訳で殊更(ことさら)ダリヤと菫(すみれ)の花とを手折(たお)って来なければならなかったのであろう。
霊廟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ローマのプリニウスの『博物志(ヒストリア・ナチュラリス)』八巻十一章にも、インドの大竜大象と闘うてこれを捲き殺し地に僵(たお)るる重量で竜も潰(つぶ)れ死すと見ゆ
「……貴方のお立場を考えますから、私手をこうやってはいましても」と妻はスタンド台にかけている白魚のように嫋(たお)やかな指を動かして見せた。
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
怪しい男は吼(ほ)えるように怒って、女の手に噛みついて指を噛み断(き)り、それをびしゃびしゃと噛(か)んだ。女はそこで地べたに踣(たお)れて死んだようになった。玉は気の毒でたまらなかった。
阿英 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
ここへ例の女の肩に手弱(たお)やかな片手を掛け、悩ましい体を、少し倚懸(よりかか)り、下に浴衣、上へ繻子(しゅす)の襟の掛(かか)った、縞物(しまもの)の、白粉垢(おしろいあか)に冷たそうなのを襲(かさ)ねて、寝衣(ねまき)のままの姿であります、幅狭(はばせま)の巻附帯
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
源は前後(あとさき)の考があるじゃなし、不平と怨恨(うらみ)とですこし目も眩(くら)んで、有合う天秤棒(てんびんぼう)を振上げたから堪(たま)りません——お隅はそこへ什(たお)れました。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
幕府の御家人なら親木と一緒に腐るのが当然だし、暴風雨(あらし)は、やがて、一軒の家ばかりでなく、地上のあらゆる古いものを吹き倒壊(たお)す雲行きをしている。……俺は勉強しよう。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(ハ)峠方(たおかた)・谷方 安芸(あき)高田郡郷野(ごうの)村大字桂字峠桂及び谷桂、峠(たお)は山の隈(くま)すなわち入り込んだ部分で、さらに山路の義に移っているが、ここでは単に山の上というばかりの意味である。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
黒い大きな塊に見えたのは案にたがわず這うようにして俯向きに崩打(たお)れたまま虫の息になっている被害者の姿だった。見るからに頸の白い中年の婦人だ。鋪道の上にはもう赤いものが流れ始めている。
石塀幽霊 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
と号令したが、同時に城中から射出した雨の如き乱箭(らんせん)も加わって、早くも廃(たお)れる部下は数知れない。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
曹昂は、弊(たお)れながら
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
婦(おんな)は、水ぎわに立停(たちど)まると、洗濯盥——盥には道草に手打(たお)ったらしい、嫁菜が一束挿してあった——それを石の上へこごみ腰におろすと、すっと柳に立直った。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
木綿を手織(たお)って衣(き)ているかどうかを知らないが、風呂の水も、雑用の水も、熔岩の下から湧(わ)く渓河(たにがわ)から汲み上げて、富士の高根の雪解の水と雨水との恩恵の下に、等分に生きていることを思うと
不尽の高根 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
明けてある障子の向うに狭い庭がみえる、午後のもう傾きかけた日ざしのなかに、芒(すすき)の穂が銀色に浮きでている、萩(はぎ)の撓(たお)やかな枝もさかりの花で、そのあたりいちめん雪を散らしたようだ。
日本婦道記:風鈴 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
猟師は楓の細木を伐(き)り朴(たお)し、枝葉を払わないままで、柱を立て、私たちの用意して来た、二畳敷ほどな油紙二枚を、人字形に懸けて、家根を作る。
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
「お母——病気で——死にそうになって——道で臥(たお)れていやしゃ——る。」
越後の冬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
実に嬋妍(せんけん)と艶(たお)やかにして沈魚落雁(ちんぎょらくがん)羞月閉花(しゅうげつへいか)という姿に、女ながらもお月は手を突いてお村の顔に見惚(みと)れる程でございます。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
闇の中に、ナイフが閃(ひらめ)くと、源吉の躰は、くたくたと生首の上に頽(たお)れ、溝(どぶ)の中に転がり落ちた。
鉄路 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
怒りをなして大なる声を起して光を放つほどに、猿猴霧に酔い雪に怖れて顛(たお)れ伏す。