“がん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ガン
語句割合
24.3%
21.0%
14.1%
13.6%
11.9%
7.9%
1.5%
1.2%
0.7%
0.7%
0.5%
0.5%
0.5%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此の空地を斜に横ぎツて、四十人に餘る生徒が、がんが列を亂したやうになツて、各自てんでん土塊つちくれを蹴上げながら蹴散らしながら飛んで行く。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
けれど、敵の本城、稲葉山から遠い飛領とびりょうなどは斬り取りできても、さて一水いっすいを隔てた斎藤家の本領は、さすがにがんとしたところがある。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これを見ても彼のおとっつあんが彼を十分に可愛がっていることはわかるのだが、彼が死なないようにというので、神や仏にがんをかけて
故郷 (新字新仮名) / 魯迅(著)
端渓には上層中層下層とあつて、今時のものはみんな上層ですが、是は慥かに中層です、此がんを御覧なさい。眼が三っあるのは珍らしい。
坊っちやん (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
このあざのようながんに似た不死身の一処をさすりながら、彼は生き彼は書き、ありもしない才華へのあこがれに悶えている残酷さである。
蜜のあわれ (新字新仮名) / 室生犀星(著)
岩壁に懸けられたおもて達は、眼を開いたり眼を閉じたり、口を開いたり口を閉じたり、がんの焔の揺れるに連れて、その表情を変えていた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
富豪のうえに女がその地方きっての美人であったから、豪家の少年達は争うてがん結納ゆいのうを持ちこんで婿になろうとしたが、どれもこれも女の父親の気にいらなかった。
阿宝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
何じゃ、片仮名をもってキミョウニナオルがん疝気寸白虫根切せんきすばくのむしねきり、となのった、……むむむむ疝気寸白はいとわぬが、愚鈍を根切りの薬はないか。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
世態一変して後明治七、八年の頃に至り名古屋藩の医にして詩を森春濤と鷲津毅堂とに学んだ永阪石埭ながさかせきたいが、星巌の邸址ていしを探り求めて新に亭榭ていしゃを築き、がんして玉池仙館と称した。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
身長五尺五寸六分、体量十三がんに足りなかった。こうした私の入営に対する熱意を父母は非常に喜んでくれた。
父杉山茂丸を語る (新字新仮名) / 夢野久作(著)
一休いっきゅうさんの うまれたのは おうえいがんねん、いまから ざっと 五ひゃく六十ねんばかり まえの ことです。
一休さん (新字新仮名) / 五十公野清一(著)
上流の方には京都の下加茂の森に好く似た中島なかじまがあつて木立こだちの中に質素な別荘が赤い屋根を幾つも見せて居る。両がんには二階づくりに成つた洗濯ぶねが幾艘か繋がれて白い洗濯物がひるがへつて居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
過去一切の眞とがんとの姿を今ありありと捉へ得て
展望 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
余程よつぽど疳癪持かんしやくもちだつたと見えて、亭主と女との逢曳あひびきがんづくと、いきなり刀を引つこ抜いて、数寄屋へ通ふ路地の木を滅茶苦茶にりつけ
もう善悪ぜんあくなしに、どうでもとまらなければならなかった。やっと林の間に出た。そこここに大きなこうがんころがっていた。
がん到りてかえって燕王の機略威武の服するところとなり、帰って燕王の語ちょくにして意まことなるを奏し、皇上権奸けんかんちゅうし、天下の兵を散じたまわば、臣単騎たんき闕下けっかに至らんと、云える燕王の語を奏す。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
へき がん ろく
茶の本:02 訳者のことば (新字新仮名) / 村岡博(著)
大學頭様は五経の内の礼記らいきと申す書物をお取寄せになりまして、第三がん目の檀弓だんぐうと申す篇の一節ひとくだりを御覧に入れて、御講釈を申上げられました。
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
余らもまた古池を以て芭蕉の佳句と思はず、否、古池以外に多くの佳句あるを信ずるなり。客、がんして去る。
古池の句の弁 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)