『板ばさみ（いたばさみ）』

プラトン・アレクセエヰツチユ・セレダは床の中でぢつとしてゐる。死んでゐるかと思はれる程である。鼻は尖つて、干からびた顔の皮は紙のやうになつて、深く陥つた、周囲の輪廓のはつきりしてゐる眼窩は、上下の瞼が合はないので、狭い隙間を露してゐる。その …

著者	オイゲン・チリコフ
翻訳者	森林太郎
翻訳者	森鴎外
ジャンル	文学 > ロシア・ソヴィエト文学 > 小説 物語
原題	Der Zensor（独訳）
初出	「三田文学　二ノ七」1911（明治44）年7月1日
文字種別	新字旧仮名
読書目安時間	約33分（500文字/分）
朗読目安時間	約54分（300文字/分）

作品に特徴的な語句

負（しよ） 勝（た） 狭隘（けいふあい） 旁（かたは） 葬（とむらひ） 并（なみ） 家（け） 言（げん） 鈴（すゞ） 瞑（ねむ） 方（はう） 翻（こぼ） 露（あらは） 転（うた） 復（かへ） 卓（つくゑ） 蘊奥（うんあう） 前（ぜん） 墨汁（インキ） 咳枯（しやが） 周囲（まはり） 隕星（ゐんせい） 褐色（かちいろ） 鈴（りん） 苧殻（をがら） 重（かさ） 頌徳（しようとく） 祟（たゝ） 睜（みひら） 眼窩（がんくわ） 侑（すゝ） 布（きれ） 沓（ぐつ） 就中（なかんづく） 午食（ひるめし） 口吻（こうふん） 器（うつは） 揶揄（からか） 座鋪（ざしき） 廉（かど） 謂（い） 讙呼（くわんこ） 蹙（しか） 奔（はし） 遑（いとま） 鉤（かぎ） 凝（こ） 偸（ぬす） 項垂（うなだ） 上下（うえした） 骨牌（かるた） 龕（がん） 簾（すだれ） 為事（しごと） 眶（まぶた） 眼球（めだま） 歴昇（へのぼ） 欹（そばだ） 硝子（ガラス） 明色（めいしよく） 空頼（そらだの） 蜻蜓（とんぼ） 結代（けつたい） 而（しか） 背（そむ） 背後（うしろ） 恬澹（てんたん） 草臥（くたび） 忽然（こつぜん） 為置（しお）