黄花石楠きばなしゃくなげ)” の例文
浦島躑躅うらしまつつじ苔桃こけもも黄花石楠きばなしゃくなげ姫菅ひめすげなど、岩間に痩せた茎を托しているが、花は流石さすがに美しい。偃松も山の肌へ腹匐いになって、身を潜めている。
此処は白馬浅葱、白馬扇しろうまおうぎ白山小桜はくさんこざくら信濃金梅しなのきんばい高根薔薇たかねばら黄花石楠きばなしゃくなげ、黒百合、色丹草しこたんそうなど、素人目にも美しい花がそれこそけんを競い麗を闘わし、立派なお花畑である。
白馬岳 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
高根薔薇たかねばらの艶麗、高根撫子なでしこの可憐、黄花石楠きばなしゃくなげの清楚に加えて、伊吹麝香草いぶきじゃこうそう、車百合、千島桔梗ちしまぎきょうなどが現われ、少し岩の露出した所には、姿のいい真柏や唐松などが生えている。苔桃こけもも岩高蘭がんこうらんも多い。
北岳と朝日岳 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
赤石沢の上流まで行かなければ、水を得られるあてもないので、雲の中をひたすら前進するより外に仕方がなかった。兎岳の頂上には雲間草くもまぐさが非常に多く、湯薬竜胆とうやくりんどう、岩梨、黄花石楠きばなしゃくなげなども咲いていた。
大井川奥山の話 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)