鳥栖とす)” の例文
鳥栖とすで、午前六時、長崎線に乗換る時には、歩廊を歩いている横顔にしぶきを受ける程の霧雨であった。車室は、極めて空いている。
山鹿方面の薩軍は、田原敗ると聞いて、即日、鳥栖とす地方に退き、官軍の本営は、七本に移り進んだ。
田原坂合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
しかもその菊池武敏は国境の第二戦でまたやぶれ、つづいて合志郡ごうしぐん鳥栖とすはらでも負け、ついには、本国菊池郡の大琳寺たいりんじノ城まですてて一族深い山間の地にかくれてしまった。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
隣国諫早いさはや鳥栖とす、博多、要所要所の親類へはことごとく早飛脚はやびきゃくをだして、もし小金吾が立ちよったならば意見をして老母のもとへかえしてくださるようにと、くれぐれもたのんでやりました。
亡霊怪猫屋敷 (新字新仮名) / 橘外男(著)
午前六時何分かに、鳥栖とすで乗換る頃には霧雨であった。
長崎の一瞥 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)