鳥打とりう)” の例文
ところが、その日のお昼すぎになって、ひとりのうすよごれた背広に鳥打とりうぼうの青年が、羽柴家の玄関にあらわれて、みょうなことをいいだしました。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「どうも、これも長々ありがとう」と言って、二月ほど前から借りていた鳥打とりうち帽を取って返した。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
「さあ、ぼく、それは気がつきませんでした。ああ、そうそう、ふたりとも鳥打とりうぼうをひどくあみだにかぶっていて、耳のうしろなんかちっとも見えませんでした。」
少年探偵団 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
よごれたレーンコートと鳥打とりうち帽を借り、ガレージのゆかのほこりを手につけて、自分の顔をなでまわし、うすぎたないチンピラ助手に化けて、運転手のとなりに、腰かけました。
虎の牙 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)